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人狼文化祭2017​ スタッフインタビュー

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インタビュー かのきち(人狼文化祭 企画局代表)

1.「初めは、人狼ライブのようなイベントになる予定だった」

仲村:今回お話を聞かせて頂きます、仲村ミチルと申します。宜しくお願い致します。

 

かのきち:宜しくお願いします。

 

仲村:まずは人狼文化祭の歴史についてお聞きしたいです。第一回はいつにされたんですか?

かのきち:第一回の人狼文化祭を2014年の春にやりましたので、企画自体は2013年の年末からです。

仲村:4年目なのですね。思ったより歴史が深くて驚きました。このイベントの発足の経緯は?

かのきち:こうすけ君という人狼プレイヤーが100人集めた人狼ライブイベントを作りたいと言いだしたことがきっかけで、僕が元々持っていた関西の人狼団体を紹介したいというアイデアを合体したものがベースですね。僕が関西人狼GM座談会というのをしたあとに第一回の人狼文化祭となりました。
人狼ライブイベントは100人集めて、上手な経験者たちをステージ上で人狼をさせて、皆でそれを見るイベントがしたいと。今、舞台人狼というのが流行っているのですが、あれに近い形ですね。

仲村:テレビやyoutubeなどでよく放送されているやつでしょうか。あれをステージ上でやってもらうといった具合ですね。

かのきち:そうですね。当時はまだ大阪に人狼文化があまり根付いていなかったのですが、経験者たちの人狼を見ることで、周りがそれに触発されて人狼をやり始めるんじゃないかと言い合っていたんです。
僕のアイデアの方は僕が人狼会を捜し歩いていた経験から人狼会はたくさんあることに気付いてたんです。そこで各人狼会の人達に集まってもらって、一緒にできないかと呼びかけたのがきっかけです。

仲村:そこから始まったわけですね。

かのきち:そうです。ですので当初から、各人狼会を人狼プレイヤーに紹介するという目的もありました。今でこそ人狼会は会同士の人の行き来が盛んになりましたが、その当時は全く人の行き来がなかったんですね。いきつけの会しか行ったことない、といった方が非常に多かったのです。なので、人狼文化祭を始める上で、「人狼会同士の交流を盛んにすること」は大きな目標でもありました。

仲村:なるほど、そういった経緯で人狼文化祭は始まったのですね。

 

 

2.「人と人との交流を大事にするイベントにしたい」

 

仲村:そこからどのようにして今日の人狼文化祭に行き着いていったのですか?

 

かのきち:当初は「人狼のプレイヤーたちに色々な人狼会を紹介したい」という目的が主だったのですが、「人狼プレイヤー同士の交流を重視する」ことに考えがシフトしてきました。

 

仲村:交流ですか。

 

かのきち:実は、第二回人狼文化祭の時に初めて知り合ったプレイヤー同士の夫婦がいるのですが、そのお二人の間に今年お子さんが生まれまして。

 

仲村:お子さんまで!(笑)

 

かのきち:そういった、人と人との交流がこのイベントに合っているんじゃないかと思いました。恋人関係以外でも、色んなタイプのプレイヤーと出会って対戦するだけで、皆楽しそうにしていたので、「人と人との交流を大事にしたイベントにする」というコンセプトに移行していきました。

 

 

 

 

3.「初心者も上級者も楽しめるように」

 

仲村:なるほど。人を繋ぐイベントにしたいと。文化祭を何回かすることによって見えてきた課題や毎年苦慮する点はありますか?

 

かのきち:やはり一番しっかりと考えているのは、初心者への対応をどうすべきか、いかに初心者にも気持ちよくプレイしてもらうかという点です。

 

仲村:かのきちさんはそういう新規層・初心者の方々への対応を特に大事にしてらっしゃると聞きました。その点について特に配慮されている理由を教えてください。

 

かのきち:簡単にいうと、対面人狼って人がいないと成り立たないゲームですよね。ですので、常に新しい人を受け入れられる土壌を作っておく必要があるんです。人狼に飽きてやめるプレイヤーもいますから。常に新しく来てくれる方を取り込んでいく必要がある。

 

仲村:なるほど。たしかに対面人狼は人がいないと出来ないですね。

 

かのきち:それに初心者の方が来てくれることによって、様々なメリットがあります。メリットの一つは、他の初心者がイベントに行く際の敷居が下がることです。例えば人狼会やお店に行くときなどに、他にも初心者がいますよ、これだけで初心者の方は、グッと行きやすくなりますよね。そんなに人狼を知らない方でも入りやすくなる。そこでハマった人が残ってくれると、対戦相手が増えるわけですし、更に新しいプレイヤーを呼んできてくれるかもしれない。

 

仲村:まさに!実は僕もニシキタ人狼会に行って初めて人狼を経験したんですよ。人狼自体が難しそうなゲームだったので踏み出せなかったのですが、初心者歓迎と書いてくれてたおかげで、ようやく行くことが出来たんです。それくらい、初心者にとって敷居が下がるというのは大きいです。

 

かのきち:そうです。初心者向けかどうか明記してあるのは、とても重要なことです。仲村さんのケースみたいに、会の詳細に「初心者歓迎」と書かれているとすごく安心しますよね。ただ、もうちょっとお話しますと、初心者への対応をしないよと明言している会も重要だと僕は思っているんです。

 

仲村:というと?

 

かのきち:人狼に慣れた上級者プレイヤーには上級者同士でプレイしたい、というニーズがあります。全員のニーズを満たすためには、そこも大事にしていきたいです。

 

仲村:初心者対応だけでなく、レベルを分けることが楽しさに繋がると。

 

かのきち:これは僕の持論なんですけれど、人狼って同じくらいのプレイヤースキルの人間が一緒にやるのが一番楽しいと思っているんですね。たとえば上級者なら上級者と、初心者なら初心者と。上級者と初心者が一緒にプレイすると、上級者ばっかり発言権を得て、初心者が全くしゃべれないといったケースが起きていますので。

 

仲村:なるほど。昨年度の人狼文化祭では、レベル分けするための星制度(自己申告で自分自身の経験値を可視化する制度)があったそうですが、今年は無くなったそうですね。その理由は?

 

かのきち:これはこれでとても好評だったのですが…。昨年は星の数でどこのブースで遊べるか決めていたのですが、あくまで自己申告制だったので、上級者の方がわざと星のランクを下げて初心者の方と混ざってプレイしたりしていたんですね。自分たちの願っていた形とは違うなと思い、今年は辞めました。

 

仲村:ちなみに今年はどんな形にしたのですか?

 

かのきち:人狼会・各ブースに自己ランクを明示してもらって、プレイヤー自らブースを選んでもらう形にしました。難しくレベルの高いブースでもプレイヤーの方が自由に判断して行ってもらったらいいと思いまして。

 

 

 

 

4.「人狼って、自由なゲーム」

 

仲村:次に、人狼界隈における人狼文化祭の役割をどのように考えてらっしゃいますか?

 

かのきち:人狼のプレイヤーとしてのハレの場にしたいなというのは第一にあります。ネット人狼をしている方の交流的な面もあって、同窓会的な場所でもあります。第二に、人狼には人の数だけ楽しみ方があると思っているので、その多様性を受け入れられるような「器」でありたいと思っています。

 

仲村:器、ですか。

 

かのきち:人狼ゲームって、凄く自由なゲームなんですよ。誰でも気軽に楽しめるのがこのゲームの醍醐味です。特定のゲームみたく協会があるわけでもないし、高いお金を払わなくてもゲームが出来る。このルールじゃないと駄目、といったレギュレーションが厳格でないところもいい。

 

仲村:確かに言われてみれば、なかなかそんなゲーム他にない気がしてきました。

 

かのきち:ですよね。その上人狼ゲームを使った楽しみ方の切り口って人によってバラバラだと思うんです。そこに僕は面白さを感じるんですよね。

 

仲村:楽しみ方の切り口って具体的にどういうことでしょう?

 

かのきち:対面人狼をコミュニケーションの場だと思ってやっている方もいますし、論理パズルゲームと考えている方もいる。人狼という一つのゲームなんですが、みんなが違うものを求めてやってきています。

 

仲村:なるほど。色々な楽しみ方が出来ると。

 

かのきち:どれか一つに絞らないといけないなんてことはないので、その多様性を大事にできるイベントでありたいです。

 

 

 

 

5.「僕たちのイベントは、例えるなら地元のサッカー場整備のようなもの」

 

仲村:社会人が趣味でこういったイベントをやるとなると、正直なところお金も時間もかなり必要だと思います。そこまでして人狼文化祭を毎年行う原動力は何ですか?

 

かのきち:単純に人狼ゲームが好きで、その好きなものを使って自然発生的な人と人との交流の場を作りたい、純粋にそれだけです。社会人の僕らがやっているというところが、お客さん目線に立って面白いことが提供できるんじゃないかな、とも思っています。

 

仲村:本当に人狼愛に溢れていますね。

 

かのきち:例えるなら、僕たちは地元にあるサッカー場を整備したいんですよ。

 

仲村:地元にあるサッカー場ですか。

 

かのきち:海外のトップチームを日本に呼んでゲームを観戦させることによって、観戦した日本人がサッカーに興味を持つということがあります。海外のトップチームは人狼で言えば、有名人の人狼プレイ動画なんかがその役割を担っていると思います。

仲村:なるほど、興味を持ってくれた人の身近な受け皿になりたいということですね。

かのきち:そうです。元々人狼が好きな人や、新しく人狼をはじめるひとに身近にプレイ出来る場所を常に整備したい、また良い形で増やしていくことで常にサッカーをプレイする人間を増やしたいです。サッカーを観戦だけではなく、実際に人と会って遊びたいという人にも良いサッカー場に気付いて、そして満足してもらいたい。それが、社会人の僕達で新しい人狼ゲームという文化の土台作りをしていると思うと少し誇らしいのです。

仲村:それって、凄く大事なことですよね。

かのきち:そうすることでプレイヤーも増えるし、人狼ゲーム自体を知ってくれる方も増えますよね。自発的にプレイヤーを増やしていくと、問題が出た時に解決策を出してくれる方も増えます。それだけでやる方の連携も増えるし、そういった意味でも、地元に整備の行き届いたサッカー場を増やしていきたいなということです。

仲村:それがゆくゆくは各人狼会の新規層開拓だとか、関西の人狼界隈を盛り上げていくことに繋がっていくと。

 

かのきち:そうですね。

 

仲村:それでは、最後に人狼文化祭への意気込みをお願いします。

 

かのきち:僕たちは期待に応えられるよう、当日に向けてできる限りの準備をしていきます。当日お越し頂く方もめいっぱい楽しんでいただきたいです。

 

仲村:ありがとうございました。

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